映画批評

【必見】『ザ・バニシング -消失-』は日本初公開の屈指のサイコ映画!

『ザ・バニシング-消失-』は1988年にオランダとフランスの合作で

作られたサイコ映画である。スタンリー・キューブリックに

「これまで観た映画の中で最も恐ろしい映画だ」と言わしめた、

映画史に残る戦慄の映画、と謳われている。

海外の各国映画祭で喝采を浴び、非常に高い評価を受けた。

非常に質の高いサイコ映画として、各国でも劇場公開された。

しかし、日本ではなぜか公開されることがなかった。

30年近くの時を経て、今回ついに劇場公開となったのだ。

 

こんな魅力的な謳い文句であれば、観に行かない訳にはいかない。

世の中には、これほど素晴らしい作品であるにも関わらず、

公開すら果たされないまま、埋もれてしまっている作品があるのだ。

なぜ日本で未公開のままだったのだろうか?

映画関係者は、もっと魅力的な映画を積極的に発掘して、

取りこぼすことのないように、日本に取り入れてもらいたいと思う。

 

 

※以下はネタバレ含みますので、ご注意ください。

 

『ザ・バニシング -消失-』は、非常に完成度の高い映画だった。

パーキングで休憩をしているときに、突然奥さんが失踪してしまう。

旦那は真相を追求するために、テレビや新聞などを使い、

あのとき、奥さんの身に一体何が起きたのかを追っていく。

犯人であるインテリのひげをはやしたおじさんは、いろいろとヤバい。

食事のときに、家族が一人ずつ叫び声を上げて、

それを「美しい」と言って褒めるくだりは、とにかく狂っている。

ただ、家族が父親に対しての疑いの目を向けるなどの描写は一切ない。

家族過ごしている様子は、良い父親といった感じなのだ。

家族はどんな風に感じていたのだろうか?裏では完全犯罪を犯している。

非常に寒気がして、恐ろしい。こんな男が近くにいたら、ものすごく怖いと思う。

不穏なBGMの使い方も効果的だった。

派手な描写は一切無いけれど、背筋も凍るような恐ろしいことが淡々と行われる、

そんな映画だった。そして、救いのないラスト。

ある程度予想はしていたけれど、このまま終わってしまうのか、

とつい考えながら、映画は終わった。

 

サイコ映画と言えば、アルフレッド・ヒッチコック監督の『サイコ』が

あまりに有名である。わたしが初めて観たのは、高校生のときだった。

深夜にやっていた名作映画で鑑賞した。衝撃のバスシーン、

容赦なくナイフで突き刺される様子は、しばらく頭から離れなかった。

大学生の一人暮らしをしていたときに、『サイコ』のことを思い出して、

ユニットバスのカーテンを仕切るのが怖かったのを思い出す。

『サイコ』は続編が作られて、4まであったように思う。

むかし観た映画なのでかなりうろ覚えだけれど、

評価としては、2はかなり良かった、3はもはや繰り返しでつまらない、

4はぜんぜん別の話、だったように記憶している。

 

『オリジナル・サイコ』というアメリカ映画もあった。

『サイコ』を恐ろしくスタイリッシュにして、無慈悲に殺す、

みたいな感じだったように記憶している。

 

『ザ・バニシング -消失-』は、名作映画にも比肩しうる、

非常に完成度の高い映画だった。80年代の映画なので、

新しいものを求めている人にとっては、物足りないかもしれない。

人間がしっかりと描かれていて、とにかくおじさんが狂っている。

ミヒャエル・ハネケ監督の『ファニーゲーム』といった、

あり得ないくらい気分が悪くなる映画があったが、この映画も、けっこう狂っている。

サイコにもいろんな種類のサイコがあるものだ、そんなことを感じた。

 

劇場公開を逃したら、今後観れなくなるかもしれないので、

興味のある人は、是非一度ご覧ください。完成度の高さは間違いなしです。

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