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探偵ナイトスクープ ネコのぬいぐるみ論争 姉と妹の仁義なき争い

探偵ナイトスクープは関西で人気を誇るバラエティ番組である。

西田敏行が局長を勤め、秘書と顧問、さらに探偵約7名で構成されている。

冒頭には必ず決まって以下の文言を言う。

 

複雑に入り組んだ現代社会に鋭いメスを入れ、さまざまな謎や疑問を徹底的に究明する探偵ナイトスクープ。わたしが局長の西田敏行です。

 

探偵ナイトスクープはその時々によって振れ幅が非常に大きい。くだらないことを徹底的に突き詰めていくバカみたいな回もあれば、とてつもなく深い感動を呼ぶ回もある。

毎度すごく笑わせてくれて、見ていて非常に面白い。

さまざまな娯楽がある中でも、探偵ナイトスクープはずっと見ていたい番組の1つである。

 

先日番組を見ていて、非常に怖いと感じる回があった。

19年4月19日に放映された探偵ナイトスクープで、ネコのぬいぐるみに関しての依頼があったときのことである。

 

依頼は姉からのもので、妹がモノを取って返さないので、説得して欲しい、という内容であった。

家族でドイツ旅行に行き、ぬいぐるみショップで姉はネコのぬいぐるみ、妹はクマのぬいぐるみを買った。

旅行から帰り、ベッドにぬいぐるみを置いていると、いつの間にか姉の部屋からネコのぬいぐるみがなくなっている。

妹の部屋に行くと、ネコのぬいぐるみが置いてあり、勝手に持って行ってしまうのである。

何度言っても一向に収まる気配はなく、取り返しては取られる、といったことをずっと繰り返している。

妹をなんとか説得してもらえないか、といった相談だった。

 

探偵があいだに入り、お互いの言い分を聞いて仲介に入る。

妹は不思議な雰囲気の持ち主である。

部屋はピンク色で、お姫様のような雰囲気を醸している。

漫画「クローズ」が並んでいる、姉とはすごい違いである。

一見フワッとしているけれど、気がつけば探偵を虜にしている。

姉は「言いくるめられてはダメ」と探偵に言ったりするが、見事に翻弄されてしまう様子がとても面白い。

妹の言い分によると、お姉ちゃんはぬいぐるみ界から嫌われていて、お姉ちゃんといたら、ネコがかわいそう、などと言う。

聞けば、ネコのぬいぐるみ以外にも、服やアクセサリーなども勝手に持っていってしまうことがあるとのことで、非常に悩ましい問題である。

普段は非常に仲がいいというのも、この話が面倒な要因の1つである。

探偵があいだに入ってもラチが開かず、その後2人で話し合いをすることになる。

 

自分のものだから早く返して欲しい、という姉。

ネコは自分の元にいた方がいいと譲らない妹。

 

どちらも一歩も引くことなく、議論は平行線が続いていく。

途中妹は、姉の手元にあったネコを眼の前で引ったくったり、おにぎりを差し出して釣ろうとしたりする。

お部屋訪問制度で妥協を図ろうとするものの、週6回行くと言ったりしてラチが開かない。

話し合いは全部で3時間行われたものの、結局未解決のまま番組は終わることになった。

小さなことに思えるけれど、非常に根が深くて恐ろしい問題である。

この場合、まだネコのぬいぐるみだからいいけれど、もしほかのものだったら、大変なことになるのではないだろうか?

この話をみたときに、わたしはある本のエピソードを思い出した。

 

亀山早苗さんは不倫に関する著作を多数執筆している。

不倫の恋について取材し、さまざまな男女のあり方について本にしている。

亀山早苗さんの本を見ていて思うのは、男女の関係は多様であり、一括りにはできないということである。

男女のことを、法律や倫理などで裁くことは非常に難しい。

不倫は絶対にいけないことだけど、不倫をしても仕方のない状況というのは、あるような気がする。

著作ではさまざまな事例が紹介されていて、読むたびにいろんなことを考えさせられる。

 

ある本の中で、妹に彼氏を取られた、というものがあった。

最初、姉と彼氏が付き合っていたけれど、妹が途中で入ってきて、捨て身覚悟で彼氏にアタックする。

彼氏は妹の情にほだされて負けてしまい、やがて妹と付き合うようになる。

彼氏を取られた姉と妹の壮絶なバトル。

やがて妹は結婚して妊娠する、といった内容であった。

 

初めてこのエピソードに触れたときに、わたしは驚愕の思いだった。

果たしてこんなことが実際にあるものなのか?普通に考えてみてありえない行動である。

今後、家族としてずっと付き合っていかなければならないのに、そんなことをする人なんて実際にいるのだろうか?

にわかに信じがたいことだけど、非常に強烈なエピソードだったので、それが頭の片隅に残っていた。

 

探偵ナイトスクープで姉妹が争っているのを見て、ふとこの話を思い出した。

もしかしたら番組に映っている姉妹ならば、こういったことが起きる可能性はあるのではないか?

今回はたまたまネコのぬいぐるみ論争で、笑い話で済んでいるけれど、これがもし付き合っている彼氏となった場合、ただでは済まないだろう。

彼氏が毅然とした態度で拒否をすれば、こうしたもつれは起きないけれど、そうなっていないところが、この話を複雑にしていたりする。

彼氏を取ったとか取らないといったことも、十分に考えられるのではないか?

そう思うと、この話が単なる笑い話ではないように思えてきた。

 

亀山早苗さんは実際に取材をして書いている。

ほかにも男女をめぐるさまざまなトラブルや争いなどが描かれており、不倫によってどんなことが起きるのか、詳細に綴っている。

一時期、芸能人の不倫のニュースばかりをワイドショーで取り上げていたけれど、不倫に関するバッシングは、世間一般の価値観である。

ルールを守れる人にとって、そんなことは絶対にダメだと厳しく非難する。

でも世の中には、規則やルールに合わせることができない人がいるのだ。

不倫が悪いことは確かだけど、それをせずにはいられない状況であれば、一概に断罪することもできない。

恋はするものではなく、落ちてしまうもの・・・。

色恋沙汰に溺れてしまうのは、端から見ればみっともないけれど、そもそも人間なんてそういうものだと思うのだ。

 

姉妹の話では、ほかにもいろいろと思い出すエピソードがある。

イギリスの天才チェリスト、ジャクリーヌ・デュ・プレの生涯を姉と弟の視点から見た著作『風のジャクリーヌ』もまた、とてつもない作品である。

本は500ページ以上ある大作なので、読むのは非常に骨が折れる。

この作品は映画化されていて、『ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ』を観れば、概要をうまく掴むことができる。

映画では天才チェリストの生涯と、裏の顔が克明に描かれている。

ジャクリーヌ・デュ・プレはチェリストとして世界各国を渡り歩いていく。

しかしやがて孤独に苛まれていき、やがて姉の夫と・・・、みたいな話になっていく。大変ショッキングでスキャンダラスな話である。

日本のワイドショーなどで、格好の餌食になりそうな題材である。

この作品も、姉と妹が物語の核となっている。

 

またほかにも姉と妹の話で思い出すことがある。

楳図かずおのマンガ『おろち』の中に「姉妹」という作品があった。

女性の美について描いたマンガである。

姉と妹の壮絶なバトル、ウソや駆け引きなどがあって、すさまじいことが繰り広げられていく。

男のわたしからすれば、もはやホラー以外何者でもない。

なぜこんなことが描けるのだろうか?

ほかに真似することのできない、至高の傑作である。

 

姉と妹の関係はいろんなところで描かれている。

いろいろと複雑なことがあるのだろう。

男のわたしからすればよく分からない。

難しい関係性だな、と改めて感じてしまう。

 

ネコのぬいぐるみの姉妹はその後解決したのだろうか?

考えられる解決策としては、妹と離れて暮らすというのがもっとも得策のような気がする。

人にはいろんな事情があるから簡単には言えないけれど、

近くにいる限り、これからもずっと妹はモノを取るのではないだろうか?

誰かがドイツに行って、もう1つ買ってくればいいように思ったりする。

しかしそれだと、今度は別のもので争いが起きるのではないだろうか?

何が最善の策かは分からない。

一視聴者として、無事に解決することを心から願っている。

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