テニス

【重圧】世界のトップを維持する難しさとは?~全仏の大坂なおみの敗退~

19年の全仏オープン、大坂なおみは3回戦で姿を消すこととなった。

大坂なおみは、18年の全米オープンと19年の全豪オープンを制し、

世界ランキング1位に躍り出た、日本が誇るスーパースターである。

ハイチ出身のアメリカ人の父親と日本人の母親のあいだに生まれ、

高い身体能力が繰り出す、パワーあふれるプレーで観客を魅了する。

 

テニスのグランドスラムを、日本人が制するなんて

ひと昔前からしてみれば、夢のまた夢だった。

大坂なおみは、彗星のごとく表れて、一気にランクアップを果たしていき、

あっという間にグランドスラムを制し、世界ランキング1位となった。

多くの人の祝福を受けて、一躍時の人となった。

いま日本で最も注目される、スポーツ選手の1人である。

 

今回の全仏オープンの敗退は、その期待が仇となったのかもしれない。

今後の長いキャリアのことを考えると、一度立ち止まってじっくりと

自分を見つめ直すことが重要だと思われる。

 

大坂なおみには、いろいろと動きがあった。

全豪オープン後には、共に歩んできたサーシャコーチとの契約を解消。

テニスの世界では格別珍しいことではないが、さまざまな憶測が流れた。

サーシャコーチの果たしてきた役割は非常に大きい。

その関係を断ち切って、心機一転、もう一度世界の頂点を目指していく・・・。

大坂なおみにとって、全仏オープンは間違いなく、重要な大会のはずだった。

 

2回戦では元世界女王のアザレンカと対戦し、持ち前のパワーで見事に勝利。

このまま波に乗って行くかと思われた。

しかし、3回戦で世界ランキング42位のシニアコバに敗退、

姿を消すことになった。

世界の頂きを掴むことはできなかった。

 

この敗退を悲観することはないと思う。

まだ次があるのだから、気持ちを切り替えてやっていけば良いと思う。

 

大坂なおみを見て思ったのは、世界ランキング1位の重圧である。

彼女は急激に成長を果たし、一気に世界の頂点を掴んだ。

次は自分が狙われる立場となったときに、

まだその状況にうまく慣れていないのではないか?

 

一度でもグランドスラムを制するのは、非常に難しい。

ただ、勝ち続けるというのは、もっと難しい。

彼女は、実力によって世界の頂点を掴むことができたが、

王者としての振る舞いをまだ身につけていない。

心身ともに成長しきっていないように思うのだ。

 

王者としての振る舞い、メンタルというのは、確実に存在すると思う。

男子の例になるが、ジョコビッチにそれを感じることがある。

どんなに調子が悪くて苦しい試合でも、好転するまでじっと耐えていく。

本来であれば錦織が勝てたはずなのに、ジョコビッチが息を潜めている間に、

少しずつ流れを引き寄せていき、結局勝利をさらっていく、

そんな試合をたびたび目撃してきた。

錦織とジョコビッチに、大きな実力差はないように思う。

錦織はすでに、世界最高峰の実力を身につけている。

ただ試合には、絶対に外してはいけないポイントがあり、

どんな手を使ってでも、確実にモノにして流れを掴まなければならない。

ジョコビッチは、絶対にそれを外さない。

これはメンタルコントロールの部分が大きいように思う。

錦織も勝負強さはピカイチだが、ジョコビッチはそれ以上に強く、

メンタルの鬼である。

ほんのわずかな差だけど、この部分が王者たるゆえんなのだと思う。

 

王者の孤独というのは、常人には想像のできない世界である。

世界中からその座を狙われる立場となり、計り知れない

プレッシャーにさらされる。

あらゆる注目を一身に浴びて、それでもなお

高いパフォーマンスを維持し続けていく。

テニスは孤独なスポーツだとつくづく感じる。

 

残念ながら大坂なおみは敗退してしまったけれど、

気落ちすることなく、次に向けて頑張ってほしい。

そして錦織にも、頑張って欲しいと思う。

錦織は勝ち進んでいくと、ナダルにぶつかることになる。

クレーコートで絶対的な強さを誇るナダルに、

なんとか勝って欲しいと思う。

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