映画批評

映画『婚約者の友人』がすごい! ~フランソワ・オゾンについて~

映画が好きで、学生時代は映画ばかり見ていた。

フランソワ・オゾン、ラース・フォン・トリアー、

ミヒャエル・ハネケなど、クセの強い人たちの映画が好きである。

ハッキリ言って、全員、ヤバイやつである。

ラース・フォン・トリアーと、ミヒャエル・ハネケは

わたしが知っている映画監督で、ヤバいやつ2トップである。

『ファニーゲーム』なんて、よくあんな不快な映画を作ったものだ。

しかし、カンヌとかヴェネチアとか、ヨーロッパの映画祭では、常連でもある。

そして実際に、パルム・ドールとか、グランプリを獲得しているのだ。

 

フランソワ・オゾンで見た映画は、『焼け石に水』『まぼろし』

『スイミングプール』『8人の女たち』あたりだろうか。

ひとクセもふたクセもあって、すんなりといかない。

それがわたしにとって心地よいというか、妙に病みつきになる。

しかし最近の映画は小難しいだけで、あまり面白みを感じることがなかった。

仕事で忙しかったこともあり、次第に映画を見ることがなくなっていった。

 

ところがふとしたきっかけで、わたしの中で

フランソワ・オゾンの熱が再燃していった。

いまから2年ほど前に、名古屋になる映画館「伏見ミリオン座」に

映画を観に行ったときのことである。

最初は、違う映画を観る予定だった。

その横で、フランソワ・オゾンの新作が上映されるのを知り、

直前になって、急遽そちらに変えることにした。

『婚約者の友人』という映画である。

これが大変素晴らしい出来だった。

 

『婚約者の友人』は、フランソワ・オゾンの会心作と言っていいと思う。

この映画を観るまで、わたしの中でフランソワ・オゾンは、

昔すごい映画を作っていた人、という評価だった。

ひどい言い方をすれば、過去の人だった。

昔はすごかったけど、最近は・・・、というのが率直な気持ちだった。

ところがこの映画を見て、完全にその評価は変わった。

やはりこの人はすごい映画監督だ、と。

わたしがいままで感じていたことをすべて覆してしまう、

それくらい素晴らしい映画だった。

 

『婚約者の友人』は全編モノクロ映画である。

サスペンスタッチのミステリードラマであり、反戦映画でもある。

1932年の反戦ドラマをリメイクしており、

フランソワ・オゾンが大胆に構成を変えて、新たな作品として作り出している。

 

いろいろと先に起きることを推理したくなる映画である。

絶対にどこかで急展開が待っているはずだ、わたしもそんな風に思っていた。

しかしそんなこともなく淡々と話が進んでいく。

 

淡々と進み、淡々と裏切られ、淡々と幕を閉じる・・・。

ミステリー好きで予想が得意な人であれば、分かるかもしれないけれど、

わたしはこの展開は予期していなかった。

最後はいろいろと余韻に浸れる映画である。

 

クラシックな雰囲気が漂う、素晴らしい映画なので、

是非1人でも多くの人に観て欲しいと思う。

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