映画批評

【感想】映画『愛がなんだ』 単館映画としてロングランを記録中!

映画『愛がなんだ』がロングランを記録している。単館系の映画としては、異例の大ヒットを記録しているとのことだ。単館系の映画をよく観る者としては素直に嬉しい。実際に鑑賞して、『愛がなんだ』は非常によくできた映画だったと思う。

ここ最近、単館系の映画が非常に賑わっている。時折大ヒットを記録して、ニュースになったりもする。歴史をひも解いていけば、『ニューシネマパラダイス』とか『トレインスポッティング』『アメリ』など、ヒットしたものはいろいろとあった。ただ渋谷のシネマライズが閉館するなど、ミニシアターを取り巻く環境は決して良いものではない。有料配信動画などの勢いもあり、映画は厳しい状況が続いている。そんな中で、ヒットのニュースを聞くのはとても嬉しいものである。

ここ数年で大ヒットした単館系映画と言えば、『カメラを止めるな』と『この世界の片隅に』が思い浮かぶ。『カメラを止めるな』は当初、全国でたった2館からのスタートだった。やがて口コミによって評判が回り、全国に拡大していった。最終的に、興行収入は30億円を突破したのだから、異例の大ヒットを記録したことになる。予算わずか300万円足らずで作られた無名の映画が、ここまで観られたというのだから夢のある話である。

『この世界の片隅に』のときもすごかった。クラウドファンディングでの支援など、多くの人の協力を受けて完成した作品は、大変話題を集めた。声の配役に能年玲奈を起用していることなども、話題の一因だった。個人的な感想を言えば、『この世界の片隅に』はセリフの訛りが合わず、あまり内容が入ってこなかった。非常に作り込まれていると感じたけれど、良い映画だったかと言うと、個人的には、それほどではない。ただ劇場に行ったときに、観客の熱がすごかったのを覚えている。

『愛がなんだ』である。劇場のHPには、大変混雑が予想されます、といった案内がされていた。実際に足を運ぶと、多くの女性客で賑わっていた。『愛がなんだ』は、角田光代さん原作の恋愛映画である。ヒロインがダメ男に尽くしてしまう様子が描かれている。端から見れば仲睦まじい関係だけど、彼氏と彼女の関係ではない。ひどい扱いを受けるのに、それでも彼を放っておかない・・・。恋人と友達の狭間で揺れ動く様子を描いている。

監督を含め、全体的に非常に若いキャスティングである。夜道を1人で歩きながら、ボヤくように即興ラップを歌うところは、見どころの1つである。いろいろと細かい工夫が凝らされていて、非常に面白い映画だった。ヒットしているのもうなずける、納得の作品である。

文学作品を映画化したものは、気難しい感じと感じるものが多い。原作へのリスペクトは大事だと思うけれど、映画というフォーマットを、存分に活かしているとは思えない作品が多かったりする。『愛がなんだ』は、その心配はまったくない。細部にまで気を配り、ものすごくちゃんと作られている。

『愛がなんだ』是非足を運んで観て下さい。

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