映画

映画『湯を沸かすほどの熱い愛』は素晴らしい映画

仕事の絡みで、DVDをレンタルした。

映画『湯を沸かすほどの熱い愛』を観るためである。

ここ最近は、家族に関する映画を見ることがとても多い。

そして、どれも素晴らしい作品なのだ。

 

『万引き家族』も良かったし『鈴木家の嘘』も良かった。

家族だからこそ分かり合えないこと、家族しかなし得ないこと、

人の数だけさまざまな家族像がある。

家族の秘密を紐解くのは、結構辛い作業だ。

それでも、決して悲観することなく、前を向いて進んでいく・・・。

 

さて今回は、『湯を沸かすほどの熱い愛』である。

とても静かな映画である。

ものすごくざっくり言ってしまえば、ワケあり家族が、懸命にたくましく

生きていきつつも、徐々にその過去が明らかになっていく・・・、

そんな映画である。(家族映画はそういうのが多い)

 

そんな中でも、食卓を囲むしゃぶしゃぶのシーンだったり、

巨大なタカアシガニを頬張るシーンだったり、

ホッとする場面がときおり差し込まれる。

 

オダギリジョーや松坂桃李など、この映画に出演する男連中は、みんな頼りない。

だからこそ、宮沢りえ演じる、母の双葉のたくましさが、より一層際立っている。

世の中にこういう女性って、きっといるんだろな~、と思う。

周りにいる男連中が情けなくて、でも彼らを責めるでもなく、

娘には厳しく叱責し、自らのやり方で生きていく・・・。

 

余命宣告をされて落ち込むこともあっただろうけど、

自分がやるべきことをしっかりと見据えて計画どおり実行していく・・・。

あとから見返すと、その冷静な判断に思わず脱帽してしまう・・・。

こんなにすごい女性はなかなかいない・・・。

 

こういう女性が若くして病に侵され、余命を宣告されて、

短い人生を懸命に生きる。ありがちなストーリーに映るかもしれないけど、

この作品はいい意味でいろいろと裏切られる。

脚本がとてもしっかりしていて、ものすごく細かいところまで緻密に

計算されている。ここまで行き届いている映画もなかなかめずらしい。

 

エジプトに行く夢は叶えられなかったけど、父のかずひろの発案で、

組体操のピラミッドを見られたのは、せめて救いだろう。

 

ほかにも見どころは山のようにあって、これっぽっちの説明では、

素晴らしさが全然伝わっていないと思うけど、

あまり言うとネタバレになってしまうので、これ以上は言わない。

 

本作は、日本アカデミー賞を最優秀賞など6部門受賞した。

当然の結果だと思う。宮沢りえと杉咲花の演技も素晴らしかった。

2人はそれぞれ、主演女優賞と助演女優賞を受賞している。

また、脚本賞も受賞している。この脚本は本当に素晴らしい。

 

ひょんなことからこの映画にめぐり合ったけれど、

とても素晴らしいものを鑑賞させてもらった。

すごいな~、その評判が自分のところまで来ていなかったので、

こういう映画こそもっと売れてしかるべきだな~、そう思った。